
ロボット手術の最大の利点は、患者さんの負担、お医者さんの負担、どちらも減らして安全に手術できる点です。例えばかなり技術的に難しい腹腔鏡下手術では、ロボットを使うことで細かい動きが格段にしやすくなり、手術時間も短縮されると言われています。また手術部を大きく切開する必要がないので手術器具を差し込む傷口を小さくでき、患者さんの体にも優しい手術になるんです。
ロボットって、医療現場においてもとてもメリットのある道具なんですね!
ロボットが勝手に手術をする姿を想像すると不安に思うかもしれませんが、実際にはお医者さんが操作する動きをロボットがそのまま再現するものです。またロボットを使うお医者さんたちは必ず指導員からトレーニングを受けて資格を得るなど、安全に関しては非常に神経を配っています。機械だし壊れたりするのでは…という不安もあるかと思いますが、ネットワークでの監視やサポート体制を充実させて、万が一何かあっても素早く対応できるようにしているんですよ。
それを知ると不安がなくなりました!
国産で作れるようになったことで、日本のお医者さんの要望をより細かく汲んで改良できるようになったんですよ。ロボット大国と言われているくらい、産業用ロボット開発に強い日本ですが、医療用ロボットは外国製のものがほとんどでした。その結果、これまでの医療用ロボットには、どうしても日本人のお医者さんの需要がフィードバックされにくいという事情もありました。そういった中、なんとか国産のものを作りたいと、川崎重工とシスメックスが手を取って誕生したメディカロイドが、初の国産手術支援ロボットhinotori™を完成させたんです。
医療関連の企業や研究機関が集まって連携している神戸医療産業都市だから完成できたんですね!
これからも医療従事者と企業が力を合わせ、“より患者さんの体への負担が少なく、精緻(せいち)な手術を”というニーズをかなえていきたいですね。例えば車と同じように、医療用ロボットも事前に危機を回避する機能や一部自動化などの取り組みがなされていくのではないかと個人的には予想しています。
貴重なお話、ありがとうございました!
取材メモ
hinotoriの名前の由来、気になりません?
正解は手塚治虫さんの作品、「火の鳥」から。日本人ならではの、“人のために働くロボット”のイメージを表現するため、製作者の方々は完成したら手塚作品から取りたいと決めてたんですって!
ロボット手術ってどれぐらい普及してるか知ってますか?
泌尿器手術などですでにロボット手術の需要は高く、ロボットで手術してくださいって希望される方もたくさんいるんですよ!