
革新的医療機器開発、国際的人材育成を
担う医工連携拠点
公益財団法人 神戸国際医療交流財団
地域の活力を生むための開発や交流を推進
神戸国際医療交流財団は、2009年1月、医療分野における国際医療交流拠点として設立されました。同年12月には兵庫県の認定を受けて公益財団法人となり、「医療分野における人材育成」「国際医療交流」「医療技術・機器の研究開発」に継続して取り組んでいます。医療機器開発は、設立当初よりの最重要事業です。「神戸医療産業都市は震災からの医療を核とした経済再建を主目的として立ち上げられたわけですから、当財団としても“神戸発の医療機器”の開発を柱として考えました。アカデミアから持てるシーズを出してもらい、震災により大きなダメージを受けた地元中小企業をつなぎ、地域の新たな活力を生む。それによって、神戸から全国、さらにアジア、世界を目指そうと活動してきました」と代表理事の後藤章暢氏は振り返ります。
また、医療分野の発展を支える人材育成と国際医療交流も推進。体系的なホスピス・ボランティア教育を行う養成研修講座の開催や、海外からの患者受け入れのコーディネートのほか、カンボジア、ラオス、ベトナムなどの医師や看護師、技師らの研修対応や医療支援、ハワイ大学の研究を支援するなど、医療の進展にグローバルに貢献しています。
神戸発の「メイド・イン・ジャパン」ブランド創出を支援
先進的な医療機器の開発と早期実用化をより強くサポートするために、2018年、同財団は神戸大学とともに、次世代医療機器の研究開発ラボ施設「統合型医療機器研究開発・創出拠点(MeDIP/メディップ)」を神戸医療産業都市に開所しました。日本初の仮想現実(VR)技術で手術室を体感できる「手術室VRショールームシステム」や、手術支援ロボットトレーニング施設、3D(三次元)内視鏡システムを備えた手術室などを整備し、国内外の医師・研究者・企業のみなさまに活用いただいています。メディカロイド社製、国産初の手術支援ロボットとして注目を集める「hinotoriTM」の開発における活用をはじめとし、国内外の企業や大学が技術開発、人材育成の場などとして活用しており、勢いが増しています。
後藤氏は「『hinotoriTM』を一つのスタートとして、医療機器開発を加速させていきたいと考えています」と意欲的です。「さまざまな分野の人が集まりやすく、技術的な調和がとれている神戸医療産業都市ならではのメリットを活かしたさらなる活性化を期待しています。また開発とともに人材育成が非常に重要と考えています。開発品を使う人が育てば需要が増え、患者さんへの先進的な医療の提供や経済活性化にも繋がります」と話します。
神戸医療産業都市の構想段階で様々な計画を立て、実行してきた人達の情熱を受け継ぎ、新たな「メイド・イン・ジャパン」ブランドを創出、発信し、患者さんに最適な医療を提供するために、多様な人と技術を結ぶ体制づくりに力を注いでいきます。