神戸医療産業都市の基盤を活かし、
生命科学分野のスタートアップを支援
株式会社リバネス
研究者と科学技術の成長を後押し
理工系大学院生が15人で2002年に立ち上げた株式会社リバネスは、当時、社会問題になっていた子どもの理科離れを食い止め、「若手研究者が広く活躍できる世の中をつくりたい」との思いから設立されました。現在は「科学技術の発展と地球貢献を実現する」という企業理念のもと、科学技術分野における教育・人材・研究・創業に焦点を当てた事業を多角的に展開。修士号・博士号を有する社員たちが、研究者の視点と起業家精神を持って、研究者や企業と共に多様な課題の解決に注力しています。
なかでも同社が創業時から主事業としているのが、小中高生を対象にした「出前実験教室」です。「身近なふしぎを興味に変える」をコンセプトに、最先端科学と技術をおもしろく、わかりやすく伝える活動は反響を呼び、日本初のビジネス化を実現しました。それによって培ったスキルを強みに、分野や業種を超えて、多くのプロジェクトを手がけています。
技術シーズを社会実装へつなぐ
また2018年からは、神戸医療産業都市推進機構や神戸市と連携し、「メドテックグランプリKOBE※」を実施しています。この活動を通して同社は「優れた研究を支えるには、スタートアップが研究に没頭できる場が必要である」と強く認識。神戸市の支援のもと2020年には、クリエイティブラボ神戸内に研究機器と環境を整備したシェアラボ「スタートアップ・クリエイティブラボ(SCL)」が開設されました。SCLの企画立案から携わり、現在は運営を担っている関西開発事業本部の濱口真慈氏は、「起業にかかる初期投資が大幅に削減でき、神戸医療産業都市のリソースを活かして研究開発を推進できる環境は、スタートアップにとって非常に魅力的。関西にはバイオ系の大手企業が集積しているので、SCLに研究開発拠点を持つことでパイプが作りやすく、事業化を進める上で大きなアドバンテージになる」とアピールします。
2022年に創業20周年を迎え、一層の飛躍を目指す同社。「今後は私たちが橋渡し役となり、SCLに入居するスタートアップと島内の企業との連携を加速させ、複数社で1つのプロジェクトを推進できるような環境を作りたい」と新たなビジョンを掲げます。
※創薬、医療機器などのメドテック領域の技術シーズを持つ研究者やスタートアップを発掘育成するプログラム
神戸医療産業都市では、興味深い研究開発が数多く進んでいます。今後はこうした情報の発信を当社が率先して行い、次世代の研究者の育成に、より力を注ぐことが目標です。神戸市民の皆さまの力をお借りしながら、「将来は神戸医療産業都市で研究をしたい」と夢を抱く小中高生たちが増えるよう、地域での活動を広げたいと思います。
「標準治療」を高水準で提供する整形外科病院
医療法人社団 あんしん会 あんしん病院
執刀医が診察から一貫して担当
ポートアイランドに2007年に開設されたあんしん病院は、日本屈指の手術実績を誇る入院治療に特化した整形外科単科の病院です。60床を備え、関節外科、スポーツ障害、腰椎疾患の手術を専門に行っています。同病院では、各疾患・部位別に専門知識と高い技術を有する整形外科医が揃い、術前の診察から手術までを主治医が一貫して担当する診療体制を構築。患者さんの生活の質や活動性が向上するように、人工関節・関節鏡手術・靭帯再建・腰椎の内視鏡手術や腰部脊柱管狭窄症の低侵襲手術など、身体への負担が少ない手術を年間約3500件実施しています。
初診や術後の通院治療、リハビリについては、県内4ヵ所にある関連施設「あんしんクリニック」や、連携する地域の医療施設が担当。全国に先駆けて導入したウェブ型電子カルテシステムを活用し、施設間で治療情報を共有しながら早期の社会復帰や機能回復に力を注いでいます。また、三宮にある「あんしんクリニック」と「あんしんクリニック西宮」には、MRIとCTを完備。受診当日でも詳しい検査と診断を可能とし、速やかに治療ができる環境を整えています。
神戸医療産業都市での医療技術の発展に貢献したい
神戸医療産業都市に拠点を置く利点について水野清典院長は、「一番には、神戸市立医療センター中央市民病院や西記念ポートアイランドリハビリテーション病院と近く、合併症のある患者さんへの対応や、回復期のリハビリ支援などの連携が取りやすいこと。交通網も発達しており、特に神戸空港からのアクセスが良好で、遠方からも患者さんが来院しやすい」と強調。
また水野院長は、近年、神戸医療産業都市で、整形外科領域における再生治療の研究開発が進んでいる現状や、次世代の医療機器の創出に向けた取り組みが加速している点に注目し、「臨床医の立場から支援できることがあれば、積極的に協力したい」との意向を示しました。「当院には数多くの手術経験で培ってきた高い技術力があります。民間病院ではできることは限られるかもしれませんが、神戸医療産業都市内に進出しているさまざまな医療関連企業や研究機関などと連携し、新しい治療や医療技術の発展に貢献できる機会に恵まれれば嬉しい」と展望を語りました。
リハビリ室
私たちは“We bring active life to you.” (アクティブな生活を患者さんに届ける)を モットーとし、外科の標準治療を高いレベル で患者さんに提供しています。整形外科医 だけでなく、麻酔科医や経験豊富な人材 がそろっていることが当院の強み。今後も チーム医療を大切にし、皆さまの生活や 運動の活動性向上を目指します。