2023.02.28
公益財団法人 神戸医療産業都市推進機構第4回 神戸先端医療研究センターセミナー
- 企業・研究者向け
- 医療関係者向け
詳細な内容
神戸先端医療研究センターセミナーは、新しい医療に繋がりうる基礎研究、正常と病気を理解する研究、臨床試験まで行った研究など、幅広く医学生物学研究の講演等を企画してまいります。研究者・技術者の参加をお待ちしております。
【プログラム】
◆講 師 半田宏先生 東京医科大学 総合医学研究所 未来医療研究センター 兼任教授
東京工業大学 名誉教授
◆演 題 サリドマイド催奇性のターゲットCRBNの発見から標的タンパク質分解剤開発への発展
◆内 容
RNAポリメラーゼIIの転写伸長阻害剤DRBの作用機構を解明した経験から、低分子化合物のターゲットを単離・同定し、ターゲットが関わる生体反応の複雑な制御機構を理解するtarget-based chemical biologyに興味を持ちました。そこで、アフィニティ-ビーズ技術を独自に開発し、それを用いて低分子化合物のターゲットを単離・同定し、化合物の作用機構の理解に努めてきました。その一環としてサリドマイドを選びました。サリドマイドは催眠鎮痛剤として1950年代後半に上市されましたが、催奇性が発覚し、市場から完全に撤退しました。それにも拘わらず、ハンセン病や多発性骨髄腫など難治疾患の治療薬として再び市場に舞い戻った稀有な薬剤です。我々は、サリドマイドの標的として、Cereblon(CRBN)を単離・同定し、CRBNがE3ユビキチンリガーゼの基質受容体で、サリドマイドはその酵素活性を標的とすることを明らかにしました。次に、CRBNはサリドマイドの抗がん作用にも関わり、その抗がん作用の分子機構と構造的基盤を明らかにしました。その後、いくつかのサリドマイド誘導体の作用機構や複合体構造を解明しました。それら基礎研究の成果は、Molecular glue degradersやCRBN-based proteolysis targeting chimeras(PROTACs)と呼ばれる標的タンパク質分解剤の開発に多大な貢献を果たしています。本セミナーでは、最新の知見を含めて以上の成果を紹介する予定です。
会場住所
〒650-0047
神戸市中央区港島南町6-3-7
お問い合わせ先
神戸医療産業都市推進機構 セミナー事務局
078-306-0708
ibri-seminar@fbri.org
入力者
神戸医療産業都市推進機構