クラスター推進センターコホート研究 [神戸トライアル]

先制医療のエビデンスを神戸から

先制医療とは、病気が発症する前に診断、予防、治療するための方法です。コホート研究という手法で、先制医療のエビデンス(根拠)を探ります。

【研究メンバー(2018年度)】
クラスター推進センター連携・事業化推進 グループ(コホート研究担当)客員部長
岡村 智教(おかむら・とものり)

1988年 筑波大学医学専門学群卒業 同年 厚生省健康政策局計画課および 高知県土佐山田保健所
1993年 大阪府立成人病センター循環器検診第Ⅰ科
2000年 滋賀医科大学福祉保健医学講座 助教授
2007年 国立循環器病センター 予防検診部長
2010年 慶應義塾大学衛生学公衆衛生学 教授 (現職)その他 国立循環器病研究センター客員部長 滋賀医科大学客員教授
2009年 先端医療センター研究所健康情報グループ チームリーダー 兼任
2012年 先端医療センター コホート研究グループ チームリーダー 兼任
2018年 クラスター推進センター連携・事業化推進グループ(コホート研究担当)客員部長

  • 西田 陽子

    コホート研究担当研究員

  • 久保 佐智美

    コホート研究担当研究員

  • 川村 久仁子

    クラスター推進センター コーディネーター

    • 東山 綾

      コホート研究担当 副リーダー
      客員研究員 (国立循環器病研究センター 室長)

    • 久保田 芳美

      客員研究員 (兵庫医科大学 環境予防医学 助教)

    • 平田 匠

      客員研究員 (慶應義塾大学 衛生学公衆衛生学 訪問講師)

    • 杉山 大典

      客員研究員 (慶應義塾大学 衛生学公衆衛生学 専任講師)

    • 今野 弘規

      客員研究員 (大阪大学大学院 公衆衛生学 准教授)

    • 門田 文

      客員研究員 (滋賀医科大学 アジア疫学研究センター 特任准教授)

    • 西村 邦宏

      客員研究員 (国立循環器病研究センター 部長)

    • 宮本 恵宏

      客員研究員 (国立循環器病研究センター 部長)

    • 宮松 直美

      客員研究員 (滋賀医科大学 臨床看護学講座 教授)

    • 西川 智文

      客員研究員 (京都光華女子大学健康科学部 教授)

    • 桑原 和代

      客員研究員 (慶応義塾大学 医学部 衛生学公衆衛生学教室 助教)

    • 辰巳 友佳子

      客員研究員 (帝京大学 医学部 衛生学公衆衛生学講座 助教)

  • 研究内容
  • 業 績

研究内容

コホート研究とは
集団を対象として健康状態を長期追跡する研究手法です。原因と想定される要因を最初に調査し追跡期間中の新規の疾病発症を見ていく手法で因果関係を明らかにすることができます。そのため生活習慣や検査指標と健康状態の関連を解明する際には、信頼性の高い研究手法とされています。わが国ではコホート研究から循環器疾患やがんの予防に関する貴重な研究成果が得られてきました。
背景
生活の質を低下させる、頻度の高い健康障害として高血圧、糖尿病、脂質異常症、膝・腰痛の発症・増悪、メンタルヘルスの悪化などが挙げられますが、これら健康障害を予防するためのエビデンスはまだ充分ではありません。
予防のためには、将来の健康障害の原因となる生活習慣や検査所見を明らかにし、得られたエビデンスを診療や保健指導に反映させることによる先制医療の普及が可能になります。
日常的な健康度を指標とした都市コホート研究:神戸トライアル
わが国のコホート研究は主に非都市部で行われてきたため、都市部住民でのエビデンスは少ないのが現状です。しかし生活習慣が健康におよぼす影響を調べるためには、偏りのない集団での知見が必要であり、エビデンスが不足している現代の都市住民における調査が必要です。そこで、神戸市民におけるコホート研究が計画されました。
目的
  1. 1) 神戸市住民における現代の様々な生活習慣と、生活の質の低下、身体の痛み、高血圧、糖尿病、脂質異常症の発症・増悪との関連を検討し、神戸市民ひいてはわが国の保健医療施策に反映できるエビデンスを得る。
  2. 2) 健康な人の将来の健康障害、特に動脈硬化を予測するためのバイオマーカーや生活習慣関連指標を明らかにする。
これまでの実施内容
2010年5月に先端医療センター医薬品等臨床研究推進委員会の承認を得て、2010年7月から2011年12月までベースライン調査を行いました。ベースライン調査では、研究参加者の登録と、1回目の来所検査を実施し、1,134名の自覚的に健康で治療歴等のない神戸市民の皆様にコホート研究にご参加いただき、併せて長期追跡の同意をいただきました。追跡の同意を下さった参加者の皆様にご協力のもと、追跡調査として、2012年9月から2014年5月まで2回目の来所検査、2014年7月から2015年12月まで3回目の来所検査、2016年9月から2018年1月まで4回目の来所検査を実施しました。ベースライン調査の結果からは、家庭血圧や酸化LDLなどに関する貴重な知見が数多く得られており、順次、学術論文・各種学会発表や参加者の方向けのニュースレターにより研究成果を報告しております。
今後の展開
2018年度からは、約2年間の予定で、5回目の来所検査を予定しております。2018年度は、2010年度にご登録いただいた方、2019年度は2011年度にご登録いただいた方および前年に検査を受けられなかった方を対象に、健康調査を実施する予定です。来所検査にお越しいただけない方には郵送等で現在の健康状態の確認をお願いしております。 追跡調査で得られたデータの解釈には5年を超える追跡期間が必要ですが、現在、追跡調査の結果を解析するための準備を進めております。
神戸トライアルお問い合わせ先
〒650-0047 神戸市中央区港島南町2丁目2番
(公財) 神戸医療産業都市推進機構 連携・事業化推進グループ内 コホート研究担当
TEL:078-306-0710 (平日10:00-16:00、担当:西田、久保、川村)

業績

原著論文
Higashiyama A, et al. Does high-sensitivity C-reactive protein or low-density lipoprotein cholesterol show a stronger relationship with the cardio-ankle vascular index in healthy community dwellers? : the KOBE study. J Atheroscler Thromb. 2012; 19(11):1027-34.
久保田芳美、岡村智教 脂質異常症UPDATE 冠動脈疾患 臨床栄養 2013;122:6,691-695.
Sugiyama D, et al. The relationship between lectin-like oxidized low-density lipoprotein receptor-1 ligands containing apolipoprotein B and the cardio-ankle vascular index in healthy community inhabitants: the KOBE study. J Atheroscler and Thromb.2015; 22(5):499-508.
Kubota Y, et al. Serum polyunsaturated fatty acid composition and serum high-sensitivity C-reactive protein levels in healthy Japanese residents: the KOBE study. J Nutr Health Aging.2015 Aug; 19(7):719-28.
Hirata T, et al. HOMA-IR values are associated with glycemic control in Japanese subjects without diabetes or obesity: the KOBE study. J Epidemiol.2015; 25(6):407-14.
西田陽子、原田 成、武林亨、岡村智教 新しいコホート研究の立上げと今後の展望:神戸研究と鶴岡メタボロームコホート. 呼吸と循環.2016;64(1):71-77.
Kuwabara K, et al. Relationship between non-high-density lipoprotein cholesterol and low-density lipoprotein cholesterol in the general population. J Atheroscler and Thromb.2016; 23(4):477-90.
Tatsumi Y, et al. Underweight young women without later weight gain are at high risk for osteopenia after midlife: the KOBE study. J Epidemiol. 2016; 26(11): 572-78.
Hirata T, et al. Impact of flushing response on the relationship between alcohol consumption and gamma-glutamyl transpeptidase: the KOBE study. Nihon Arukoru Yakubutsu Igakkai Zasshi. 2016; 51:173-83.
Nagai T, Nishimura K, et al. Prognostic significance of endogenous erythropoietin in long-term outcome of patients with acute decompensated heart failure. Eur J Heart Fail. 2016; 18: 803-13.
Kubota Y, et al. Association between impairment of salty taste recognition and masked hypertension based on home blood pressure in Japanese residents: the KOBE study. Hypertens Res. 2018 (in press)
学会発表
杉山大典 他 健常者における抗核抗体陽性率 ― 神戸トライアルからの報告 ―. 第58回日本臨床検査医学会学術集会. 2011年11月
Kubota Y, et al. Serum polyunsaturated fatty acids, arachidonic acid/eicosapentaenoic acid ratio and C-reactive protein in Japanese men and women: the KOBE Study. 第43回日本動脈硬化学会総会・学術集会. 2011年7月
Higashiyama A, et al. The relationship between alcohol flushing response and renal function in a cross-sectional study performed in urban Japanese residents: the KOBE study. 第43回日本動脈硬化学会総会・学術集会. 2011年7月
東山綾 他 日常的な健康度を指標とした都市コホート研究:神戸トライアル (第1報) 研究デザイン. 第70回日本公衆衛生学会総会. 2011年10月
久保田芳美 他 神戸トライアル(第2報) 成人してからの体重変化と動脈硬化危険因子. 第70回日本公衆衛生学会総会. 2011年10月
宮松直美 他 神戸トライアル(第3報) 都市住民における塩分知覚低下と飲酒・喫煙習慣. 第70回日本公衆衛生学会総会. 2011年10月
西村邦宏 他 神戸トライアル(第4報) 都市住民における聴覚とメンタルヘルス. 第70回日本公衆衛生学会総会. 2011年10月
Kubota Y, et al. Clinical characteristics of the participants of the KOBE study. 第44回日本動脈硬化学会総会・学術集会. 2012年7月
Higashiyama A, et al. High-sensitivity C-reactive protein and low-density lipoprotein cholesterol: Which shows stronger relation with cardio-ankle vascular index in healthy community dwellers? ; the KOBE study. 第44回日本動脈硬化学会総会・学術集会. 2012年7月
久保田芳美 他 ストレス状況と検査時血圧および家庭血圧についての検討:神戸トライアル. 第71回日本公衆衛生学会総会. 2012年10月
岡村智教 他 神戸トライアル(第1報) 研究デザインと新しいバイオマーカーとしてのLOX-1系変性LDL指標の基本集計. 第23回日本疫学会学術総会. 2013年1月
久保田芳美 他 神戸トライアル(第2報) 成人後の体重増加と高分子量アディポネクチンおよびLOX-1系変性LDL指標の関連. 第23回日本疫学会学術総会. 2013年1月
杉山大典 他 神戸トライアル(第3報) LOX-1系変性LDL指標とシスタチンC・推定糸球体濾過量との関連. 第23回日本疫学会学術総会. 2013年1月
門田文 他 神戸トライアル(第4報) 都市部住民における高分子量アディポネクチンと代謝性因子、CAVIとの関連. 第23回日本疫学会学術総会. 2013年1月
東山綾 神戸トライアル(第5報) 都市部一般住民におけるLOX-1系変性LDL指標とCAVIとの関連. 第23回日本疫学会学術総会. 2013年1月
杉山大典 他 都市型コホート研究『神戸トライアル』における抗核抗体陽性者とシスタチンCの関係. 第60回日本臨床検査医学会学術集会. 2013年10月
久保田芳美 他 都市部住民における血清ビタミンEとLOX-1系変性LDL指標:神戸トライアル. 第24回日本疫学会学術総会. 2014年1月
桑原和代、杉山大典、武林亨、原田成、栗原綾子、東山綾、久保田芳美、岡村智教 地域住民におけるLDL-Cとnon-HDL-Cの差は30mg/dLより小さい 神戸研究と鶴岡メタボロームコホート研究の結果から. 第46回日本動脈硬化学会総会・学術集会. 2014年6月
久保田芳美 他 都市健康住民における塩分摂取量と塩分知覚低下および血圧との関連:神戸トライアル. 第73回日本公衆衛生学会総会. 2014年11月
Hirata Y, et al. HOMA-IR values are associated with glycemic control in Japanese without diabetes or obesity: the KOBE Study. 第25回日本疫学会学術総会. 2015年1月
Kubota Y, et al. LOX-1 ligand containing ApoB (LAB), waist circumference and body mass index in healthy Japanese: the KOBE study. 第25回日本疫学会学術総会. 2015年1月
平田匠 他 メタボリックシンドローム・糖尿病ともに有しない日本人においてもHOMA-IR値は血糖管理指標と関連する 神戸研究. 第58回日本糖尿病学会年次学術集会. 2015年5月
平田匠 他 一般住民における塩分摂取と肥満による高血圧新規発症に対する複合リスクの検討 神戸研究. 第4回日本高血圧学会臨床高血圧フォーラム. 2015年5月
平田匠 他 高分子量アディポネクチンと骨密度の関連はBMIにより交絡する 神戸研究. 第33回日本肥満症治療学会学術集会. 2015年6月
平田匠 他 肥満および非肥満高BMIの都市部住民は2年後の高血圧の新規発症リスクが高い 神戸研究. 第51回日本循環器病予防学会学術集会. 2015年6月
桑原和代 、杉山大典、平田匠、久保田芳美、西田陽子、東山綾、中畑典子、新村英士、嶽崎俊郎、岡村智教 都市部と離島におけるcardio-ankle vascular index(CAVI)値および動脈硬化性疾患の危険因子の比較検討. 第47回日本動脈硬化学会総会・学術集会. 2015年7月
平田匠 他 Flushersの有無により飲酒量とγ-GTP値の関連は異なる 神戸研究. 第50回日本アルコール・薬物医学会. 2015年10月(優秀演題賞受賞)
Nishikawa T, et al, Water intake for preventing stroke in healthy Japanese: Kobe Orthopedic and Biomedical Epidemiologic (KOBE) Study. 8th European Public Health Conference. 2015年10月
辰巳友佳子 他 女性における20歳時及び40-75歳時のBody Mass Indexと骨密度の関連 神戸トライアル. 第74回日本公衆衛生学会総会. 2015年11月
岡村智教 他 地域集団での慢性腎臓病(CKD)と血圧高値、耐糖能異常の合併率に関する検討(第1報). 第74回日本公衆衛生学会総会. 2015年11月
桑原和代、杉山大典、平田匠、東山綾、久保田芳美、西田陽子、中畑典子、嶽崎俊郎、若林一郎、岡村智教 2地域の閉経前後女性におけるCAVIの規定要因 神戸研究・J-MICC Study鹿児島サイト. 第74回日本公衆衛生学会総会. 2015年11月
西田陽子 他 内臓脂肪測定装置により測定した内臓脂肪面積と循環器病危険因子との関連:神戸研究. 第26回日本疫学会学術総会. 2016年1月
西川智文 他 健常日本人における水分摂取の脳卒中予防に関する研究:the KOBE study. 第26回日本疫学会学術総会. 2016年1月
平田 匠 他 女性ではインスリン抵抗性が BMI や腹囲と独立して血圧と関連する:神戸研究. 第52回日本循環器病予防学会学術集会. 2016年6月
平田匠 他 HOMA-IR と高分子量アディポネクチンの関連における肥満の影響:神戸研究. 第34回日本肥満症治療学会学術集会. 2016年7月
平田匠 他 非肥満・非メタボリックシンドロームの都市部住民における高分子量アディポネクチンとHDLコレステロール・HOMA-IRとの関連:神戸研究. 第48回日本動脈硬化学会総会・学術集会. 2016年7月
西川智文 他 健常日本人における水分摂取意識と摂取飲料の違い:the KOBE study. 第27回日本疫学会学術総会. 2017年1月
平田あや 他 非肥満、非高血圧集団において塩分摂取量は早朝-就寝前血圧差と関連する:神戸研究. 第27回日本疫学会学術総会. 2017年1月
平田 匠 他 飲酒と高分子量アディポネクチンの組み合わせとHDL-C・non-HDL-C との関連:神戸研究. 第53 回日本循環器病予防学会学術集会. 2017年6月
久保佐智美 他 早朝及び就寝前高血圧と飲酒量との関連:神戸研究. 第53 回日本循環器病予防学会学術集会. 2017年6月
西田陽子 他 都市部住民における飲酒と高感度CRPについての検討:神戸研究. 第52回日本アルコール・アディクション医学会学術総会.2017年9月
久保佐智美 他 血清尿酸値および飲酒習慣と腎機能との関連:神戸研究.第52回日本アルコール・アディクション医学会学術総会.2017年9月
呉代華容 他 男女別、飲酒状況が精神的健康状態に与える影響:神戸研究.第52回日本アルコール・アディクション医学会学術総会.2017年9月
二井悠希 他 能動喫煙・受動喫煙が精神的健康状態に与える影響:神戸研究.第52回日本アルコール・アディクション医学会学術総会.2017年9月
西川智文 他 健常者と脳梗塞既往者の飲酒履歴の違い.第52回日本アルコール・アディクション医学会学術総会.2017年9月
平田 匠 他 飲酒者におけるフラッシング反応・飲酒量の組み合わせとHDL-Cの関連:神戸研究.日本臨床疫学会第1回年次学術大会. 2017年10月
平田あや 他 都市住民におけるFatty liver indexと耐糖能異常発症との関連:神戸研究. 第76回日本公衆衛生学会総会. 2017年11月
杉山大典 他 一般地域集団での認知機能障害に対するMoCAカットオフ値の検討:メタアナリシス. 第76回日本公衆衛生学会総会. 2017年11月
田辺杏由美 他 一般集団における内臓脂肪蓄積とシスタチンCから推定したGFRの関連:神戸トライアル. 第76回日本公衆衛生学会総会. 2017年11月【優秀口演賞受賞】
久保 佐智美 他 非CKD集団における血清尿酸値と腎機能との関連:神戸研究. 第28回日本疫学会学術総会.2018年2月