神戸医療産業都市とは医療関連の研究機関や企業団体が集積し新ビジネスを創出する日本で最初、最大級の医療産業都市

日本最大級のバイオメディカルクラスター
神戸医療産業都市

1998年から神戸市のプロジェクトとして始動し、理化学研究所や大学等の研究機関、神戸市立医療センター中央市民病院をはじめとした高度専門病院群および医療関連企業・団体が神戸のポートアイランドに集積。
産学官医連携で研究開発から事業化までを強力にサポートする環境とサービスを提供し、医療分野で数々のイノベーションを起こしています。

神戸医療産業都市のねらいと
中核機能

  • 目的

    • ・雇用の確保と神戸経済の活性化
    • ・市民の健康・福祉の向上
    • ・アジア諸国の医療技術向上への貢献
  • 中核機能

    トランスレーショナルリサーチ(実用化に向けた研究開発) 産業化支援 人材育成

神戸医療産業都市推進機構名誉理事長

井村裕夫先生

1998年10月、当時、神戸市立中央市民病院長であった井村裕夫先生(神戸医療産業都市推進機構名誉理事長)を座長として、京都大学、大阪大学、神戸大学の医学部長や国立循環器病センター(現・国立循環器病研究センター)総長、神戸医師会、兵庫県が参画した「神戸医療産業都市構想懇談会」を設置し、「神戸医療産業都市構想」の基本的な枠組みを検討するための会合を重ねました。

神戸医療産業都市推進機構理事長

本庶佑先生

2015年より先端医療振興財団理事長に就任し、集積したさまざまな企業団体の連携強化および研究機能の強化を目的として、2018年に同財団を神戸医療産業都市推進機構に発展改組しました。同年、ノーベル生理学・医学賞を受賞。2021年には受賞を契機とした研究施設「次世代医療研究開発センター」が神戸医療産業都市に開設され、同機構に感染症制御研究部が新設されました。

神戸医療産業都市の歴史

神戸市は、1995年(平成7年)1月17日に発生した阪神・淡路大震災で大きな被害を受けた神戸の経済を立て直すため、震災復興事業として「神戸医療産業都市構想」を始めました。

神戸の経済を立て直し、市民の皆さまの命を守り、国際社会に貢献するため、産学官医の連携のもと、神戸市にある人工島「ポートアイランド」に先端医療技術の研究開発拠点を整備し、21世紀の成長産業である医療関連産業の集積を図っています。

国の「都市再生プロジェクト」などにも位置付けられ、「日本初のライフサイエンス(健康科学)分野のクラスター」を目指すプロジェクトとして進められてきました。

構想開始から20年以上が経過し、現在約370の先端医療の研究機関、高度専門病院群、企業や大学の集積が進み、日本最大のバイオメディカルクラスターに成長しています。(2022年7月)

阪神・淡路大震災当時の写真(写真提供:神戸市)
神戸医療産業都市航空写真

【2018年10月】神戸医療産業都市20周年記念式典および神戸国際創薬シンポジウム

神戸医療産業都市の経済効果

神戸医療産業都市には中小企業・ベンチャー企業から大手製薬会社にいたるまで、370社(2024年2月末現在)の医療関連企業・団体が国内外より進出し、日本最大級のバイオメディカルクラスターに成長しました。

クラスターの推移

  1. 1998年(0社)

  2. 2001年(18社)

  3. 2007年(125社)

  4. 2021年(376社)

クラスター形成が進むにつれて、雇用者数も約12,700人(2023年3月末)と右肩上がりに増加しています。 また、神戸医療産業都市の市内経済効果は2005年の409億円から、その後5年間で2.5倍の1,041億円に、2020年には1,562億円となり、これに伴う2020年度の神戸市への税収効果は69億円に上りました。

進出企業・団体 雇用者数の推移

神戸医療産業都市の目指す4つの姿

神戸医療産業都市の目指す将来像とその実現に向けた取り組みをご紹介します。

01最高水準の医療が最適に受けられる神戸

医療の発展に合わせて更なる病院集積を進めることで、誰もが世界最高水準の医療を享受できるメディカルクラスターの形成を推進するとともに、医療ビジネスを展開するなど、患者と関連企業双方の視点に立った新たな価値を創造します。

具体的な取り組み

  • メディカルクラスターの更なる発展のための領域別専門センターの整備
  • グローバルに活躍する臨床医の集積を図るための病院機能の充実
  • メガホスピタル機能を目指した病院群の一体的運営システムの整備
  • こどもから高齢者まですべての患者に対するリハビリテーションも含めた最適な医療サービスの提供
  • ICTを活用した医療情報の迅速・効率的な共有化による利便性の向上
  • 臨床現場と企業の融合から生まれる新たな治療法等の開発による最適な医療サービスの提供

02先端医療でグローバルに貢献する神戸

神戸医療産業都市のコアコンピタンスである橋渡し研究機能と基礎研究機能を強化しながら、神戸発の新たな医療技術を世界へ発信するとともに、世界最先端の動向をいち早くフィードバックする仕組みを構築して、世界有数の医療産業都市として発展することを目指します。

具体的な取り組み

  • iPS細胞等を用いた再生医療実用化の推進
  • 臨床医の参画による国際競争力が高い医療機器等の開発
  • 神戸発の革新的医薬品開発の推進
  • イノベーションを牽引する専門人材の育成
  • メディカルイノベーションのための基礎研究機能のさらなる強化と科学技術基盤の充実
  • グローバルな研究・開発や事業化のためのクラスターネットワークの充実
  • 臨床研究・治験のさらなる環境整備及び早期臨床試験の実施
  • WHO健康開発総合研究センター(WHO神戸センター)との連携
  • 神戸の医療を必要とする海外患者に対する良質な医療の提供
  • メディカルクラスターを活用した医療技術の国際展開
  • 神戸医療産業都市の情報発信機能の強化と海外主要クラスター等との交流促進

03先制医療を活用した新しいパブリックヘルスを実践する神戸

将来起こり得る病気を発症前に予測・診断し、発症防止や発症を遅らせるために必要な治療的介入を行う先制医療を実現するとともに、市民参加のもとで新たな健康増進の仕組みを構築することで、すべての市民が健康で活力のある健康長寿のまちづくりを目指します。

具体的な取り組み

  • 市民のライフコースデータに基づく、健康医療情報プラットフォームの構築
  • 新たなバイオマーカーの開発とライフコースデータの活用による早期予測技術と介入手法の研究・開発
  • 新たな健康づくりを目指した市民参加型の健康増進システムの構築と健康都市こうべの実現

04企業等の活動の融合が生み出す活力のある神戸

神戸医療産業都市の研究・開発成果と、神戸固有のシーズを融合させることで新産業の創出を目指すとともに、企業間コミュニティ内部で自主・自立的にビジネス化を促進する仕組みを構築します。

具体的な取り組み

  • 神戸医療産業都市や国内外のクラスターの研究成果と神戸の地場産業や固有シーズの融合の推進
  • 食品、スポーツ、観光等との融合による「健康神戸ブランド」の創出
  • 神戸医療産業都市進出企業を相互に結び付けるマグネット機能の充実
  • 研究開発成果の実用化を促進する生産拠点の形成
  • 企業どうしがビジネスに関する自主的な協力ができる仕組みづくり
  • 企業間の自主的な活動の機会のさらなる充実

神戸健康科学(ライフサイエンス)振興ビジョンの改訂(増補)

神戸医療産業都市は、2007年に策定した「神戸健康科学(ライフサイエンス)振興ビジョン」に基づきクラスター形成を推進してきました。その結果、2015年度には300社を超える企業・団体の集積に至り、国内最大級の医療産業クラスターに成長しました。それに伴い、国家戦略特区等の指定、スーパーコンピュータ「京」、ポスト「京」の立地決定、高度専門病院の集積、世界初のiPS細胞を用いた臨床研究の進展など、神戸医療産業都市を取り巻く環境や構成要素も大きく変化しています。
こうした状況の変化を踏まえ、「振興ビジョン改訂検討ワーキング(WG)」を設置して同ビジョンの見直しと、神戸医療産業都市が今後目指す10年後のクラスター像およびその実現に向けた取り組みについて議論し、2016年に「神戸健康科学(ライフサイエンス)振興ビジョン・改訂版(増補)」を策定しました。

新たな「神戸健康科学(ライフサイエンス)振興ビジョン」では、

  1. 1.研究領域のさらなる深化による3つのクラスター領域の融合
  2. 2.市民や企業との接点を増すことによるクラスター機能の充実
  3. 3.産業領域と展開エリアの拡大による経済活性化

をコンセプトとして、新たなイノベーションの創出を目指しています。

3つの研究領域の融合によるこれからのクラスター像

バイオクラスター領域、メディカルクラスター領域、シミュレーションクラスター領域

このビジョンを基盤として、「神戸経済の活性化」、「最先端治療の提供による市民の健康・福祉の向上」、「国際社会への貢献」に向けて今後も取り組んでいきます。

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神戸医療産業都市では研究開発から事業化まで、多種多様な企業様のニーズにマッチした多彩な支援サービスを提供しています。専任のコーディネーターがガイド役となり、ニーズ探索から研究、開発、薬事、販路開拓まで一貫したワンストップの支援を提供します。