新しい骨折治癒促進治療難治性骨折(偽関節)患者に対する再生医療:CD34陽性細胞移植の研究支援
※本事例は神戸医療産業都市の研究支援機関である神戸医療産業都市推進機構 医療イノベーション推進センター(TRI)の支援事例です
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- 支援サービス
- 医療機関・産学連携支援
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- 研究名
- 難治性骨折(偽関節)を対象とした「骨・血管再生療法」
- 施設名
- 神戸大学大学院医学研究科 外科系講座 整形外科学
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- 研究概要
- 難治性骨折(偽関節)に対する自家末梢血CD34陽性細胞移植による骨・血管再生治療
The Challenge開発・製品化の背景
再生医療による新しい骨折治癒法への期待
骨折は、多くの場合、整復手術と強固な固定を行うことで骨癒合が得られて治癒します。しかし、骨折全体の5-10 %では、治療後に長期間を経過しても骨癒合が得られず、難治性骨折に陥ります。難治性骨折に対しては、不足している固定性を改善する手術や、それに加えて骨欠損の補填、あるいは自家骨移植術が行われます。しかし、これらの手術によっても全例で骨癒合が得られるわけではなく、骨癒合までに長期間を要することもあり、QOLが著しく低下するだけでなく、社会的損失も甚大なものとなります。このため、難治性骨折を治癒に導き、さらに骨癒合までの期間を短縮できる新しい骨折治癒促進治療の開発が期待されています。
The Solution神戸医療産業都市の支援
難治性骨折(偽関節)に対するCD34陽性細胞移植による骨・血管再生治療の開発
医療イノベーション推進センター(TRI)では、神戸大学整形外科と共同研究を行い、難治性骨折(偽関節)患者に対する新規再生医療技術として、自家末梢血CD34陽性細胞移植による骨・血管再生治療の開発を進めました。
2009年よりヒト幹細胞を用いた臨床研究として、先端医療センター病院(当時)および神戸大学医学部附属病院において、全7症例の難治性骨折患者さんに同再生治療を実施したところ、平均16週後という早期において骨癒合が得られました。
アカデミアと共同で医師主導治験を実施
上記の臨床研究に引き続き、TRIと神戸大学は、共同で医師主導治験を計画立案し、2016年より神戸大学医学部附属病院、先端医療センター病院(後に神戸市立医療センター中央市民病院が継承)を中心とした7機関で多施設共同治験を行い、CD34陽性細胞分離機器及びコラーゲン使用軟組織注入材の薬事承認を目指しています。
本再生治療は、厚生労働省による先駆け審査指定品目に指定され、革新的医療として大きな期待を集めています。
多施設共同治験を多面的にサポート
多施設共同治験における実施医療機関間の連携、情報の共有化を図るため、TRIは治験調整医師、治験調整事務局を務め、さらに進捗状況に応じたモニタリングの実施、データセンターおよび統計解析を行うことで、データの迅速な収集、治験データの品質確保に大きく貢献しました。
さらに、薬事承認申請前に必要な非臨床試験(動物実験)への支援として、細胞調整の計画から実施を担当しました。
The Results達成した成果
第21回日本再生医療学会で報告
「自家末梢血CD34陽性細胞移植による骨・血管再生治療」の医師主導治験の結果
2016年から薬事承認申請を目標とした医師主導治験を25例の難治性骨折患者さんを対象に実施しました。全症例で骨癒合が得られ、安全性において問題となる事象はありませんでした。主要評価項目とした、脛骨骨幹部難治性骨折への治療介入後骨癒合までの期間は、CD34陽性細胞移植群(99.5 ± 47.7日)の方が既存治療群(156.2 ± 38.8日)よりも有意に短くなりました。既存治療群に対するCD34陽性細胞移植群の累積骨癒合率のハザード比は2.81(Log-Rank検定p=0.016)であり、有意な有効性が示されました。臨床で実用可能な骨癒合促進治療が少ない現状、この新しい再生医療の実用化が近付いています。
神戸医療産業都市の事例に
相談を依頼するCase Studies研究・製品化事例
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再生医療 研究事例
新しい骨折治癒促進治療難治性骨折(偽関節)患者に対する再生医療:CD34陽性細胞移植の研究支援
神戸大学大学院医学研究科 外科系講座 整形外科学
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再生医療 製品化事例
神戸医療産業都市推進機構発オリジナルシーズ再生医療等製品(CD34陽性細胞)の開発
先端医療センター病院
(現 神戸市立医療センター中央市民病院) -
再生医療 製品化事例
難治性眼表面疾患に対する新規治療法再生医療等製品「サクラシー®」開発支援 | 研究・製品化事例 | 神戸医療産業都市
京都府立医科大学
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