神戸医療産業都市推進機構発オリジナルシーズ再生医療等製品(CD34陽性細胞)の開発

※本事例は神戸医療産業都市の研究支援機関である神戸医療産業都市推進機構 医療イノベーション推進センター(TRI)の支援事例です

製品化事例 再生医療
  • 事例カテゴリー
    製品化事例 | 再生医療
    支援サービス
    医療機関・産学連携支援
  • 研究名
    下肢血管再生医療
    施設名
    先端医療センター病院(現 神戸市立医療センター中央市民病院)
  • 研究概要
    閉塞性動脈硬化症(ASO)による重症下肢虚血(CLI)を有する患者を対象としたCD34陽性細胞を用いた再生治療

The Challenge開発・製品化の背景

下肢血管再生治療の開発

下肢の動脈が閉塞する疾患(閉塞性動脈硬化症、バージャー病)のために、下肢の潰瘍・壊死が治らない、あるいは安静時にも下肢の痛みがあるような非常に重篤な病状(慢性重症下肢虚血)を呈し、かつ従来の血行再建術による治療が困難な患者さんに対しては、有効な治療法がなく、下肢切断のリスクが高くなります。
医療イノベ―ション推進センター(TRI)では、慢性重症下肢虚血の患者に対する新しい治療法として、CD34陽性細胞(血管の幹細胞)移植による血管再生治療を開発しました。CD34陽性細胞移植により新たな微小血管が形成され、下肢の血行障害が改善することで、下肢切断を可能な限りゼロに近づけ、健康寿命の延伸へ貢献することを目指しています。

The Solution神戸医療産業都市の支援

臨床研究、医師主導治験の推進から開発業務や規制当局との対応までトータル支援を提供

2003年から臨床研究、医師主導治験を進め、現在は多施設共同の企業治験を実施しているところです。企業治験においては、治験依頼者が日本国内に事業所を所有しない米国企業であるため、治験製品の製造および品質管理業務・プロジェクトマネジメント業務・モニタリング業務・データセンター業務を含めた開発業務の全てをTRIが受託し、治験の円滑な実施に貢献しています。
なお、本治験製品は、厚生労働省による「先駆け審査指定品目」に指定されています。指定を受けるための書類作成、規制当局との面談においても、TRIは開発企業を支援しました。

The Results達成した成果

積み重ねた確かな研究実績

2003年から17例の慢性重症下肢虚血患者を対象に臨床研究を実施。CD34陽性細胞移植による血管再生治療を行い、全症例で治療1年以上経過後も自立歩行機能を温存し、全員が足の切断を免れることができました。その後の医師主導治験では、2010年6月に目標の11例への治療が終了し、臨床研究と同様に非常に良好な結果が得られました。その後、本治療法の開発は米国ベンチャー企業が引き継ぎ、2017年11月から再生医療等製品(CD34陽性細胞)として多施設共同の企業治験を実施しています。

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神戸医療産業都市では研究開発から事業化まで、多種多様な企業様のニーズにマッチした多彩な支援サービスを提供しています。専任のコーディネーターがガイド役となり、ニーズ探索から研究、開発、薬事、販路開拓まで一貫したワンストップの支援を提供します。