日本のアカデミア初のシーズを海外に展開ベトナム ダナン病院での脊髄損傷治療の開発および実用化支援

※本事例は神戸医療産業都市の研究支援機関である神戸医療産業都市推進機構 医療イノベーション推進センター(TRI)の支援事例です

研究事例 再生医療
  • 事例カテゴリー
    研究事例 | 再生医療
    支援サービス
    医療機関・産学連携支援 | 海外進出支援
  • 研究名
    ベトナム ダナン病院での脊髄損傷に対する細胞療法の開発
    施設名
    公益財団法人田附興風会 医学研究所北野病院 | Danang Hospital(ダナン病院、ベトナム)
  • 研究概要
    細胞療法を活用した脊髄損傷で失った神経機能の改善

The Challenge開発・製品化の背景

日本のアカデミア発シーズを海外に展開

ベトナムでは、交通事故や工事現場の転落事故が多く、脊髄損傷患者が多いという背景があります。北野病院形成外科 鈴木義久医師らによる「骨髄単核球を用いた脊髄損傷治療」(自己骨髄単核球を脊髄損傷患者に髄腔内投与する医療技術)をベトナムに技術移転し、ベトナムでの脊髄損傷治療の標準化を目指して、また、将来的には脊髄損傷治療センターの設立という目標を掲げ、プロジェクトがスタートしました。

The Solution神戸医療産業都市の支援

ベトナムでの臨床研究体制整備を支援

医療イノベーション推進センター(TRI)は、本研究開発の実用化を支援し、2012年、厚生労働省による日本主導型グローバル臨床研究体制整備事業への採択に貢献しました。ベトナムでの体制整備においては、ダナン病院に国際共同臨床研究を実施できる体制を整備するために、病院の医師やスタッフへの教育、倫理委員会の設置、骨髄単核球を分離する機器・器具の調達、細胞分離操作・移植方法等の技術移転を実施。また、ベトナム保健省の許可を得るため、書類整備や実施調査に立ち会う等の支援も行いました。2016年9月から開始した臨床試験では、2022年1月に30症例への治療と観察を完了しました。TRIでは、データセンター業務やプロジェクト進捗管理、統計解析を支援したほか、現在はベトナムでの標準治療化に向けて、ベトナム政府による審査資料作成等を支援しています。

The Results達成した成果

ベトナムでの脊髄損傷治療の臨床試験終了

当初はベトナムでの臨床試験の実施は困難と言われていましたが、本臨床試験がベトナム内のテレビ、インターネットや新聞を通じて広く伝えられたことで、ダナン市から遠方に在住する患者さんが試験に参加され、2022年1月に臨床試験が終了しました。臨床試験終盤に、ベトナムでもコロナ禍に見舞われ、継続が困難な状況となりましたが、ダナン病院のスタッフの多大な努力により、臨床試験を終了することができました。今後、臨床試験成績をベトナム政府に提出し、ベトナムでの標準治療化を目指しています。

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